もうすっかり秋めいてきていますね。
秋分の日も過ぎましたし、今日からは夜の時間の方が長くなります。

では、今日も戦国絵巻です。


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練習が終わって、ミカサも合流する。
走馬燈はないけど、なんとかなるんじゃないだろうか。
根拠はないけど。

「今日は、テスカトルさんも来てたんですね」
「うむ。来ていたぞ」
「テスカトルさんは、生き霊には詳しいですか?」
「詳しいというほどではない。常識的な知識がある程度だ」
「常識的って、オレたちにとっては全く知らないことばかりなんだけど…」
「生き霊のことをそもそも知らないのであれば、生き霊についての常識も何もない。知らない者がいるという点では、常識とは言えないのかもしれない」
「またややこしい言い回しを…」
「常識という言葉の定義は非常に曖昧だ。ところ変われば品変わり、自分の常識も相手には非常識であるということは、どこにでも存在している。数値化され一般化された常識の数式でさえ、こことは違う環境の世界に行けば、全く通用しないかもしれない」
「いや、常識の定義について聞いてるわけじゃないから。生き霊について、どういうことを知っているのか聞きたいだけだから」
「ふむ、そうだったな。しかし、桔梗から聞いたことや、本で調べたこととは被らない新しい知識を求めているのなら、期待には応えられないだろう。おれが知っているのも、その程度かそれ以下の知識でしかない。詳細を照らし合わせてみなければ分からないが、それはほぼ間違いないだろう」
「なんだ、そうなのか…」
「しかし、肩を落とすにはまだ早い。おれは、少なくとも今日は、終日一緒にいてやれる。何かと忙しそうにしている桔梗には、なかなか出来ないだろう」
「まあ、つまり、暇なんだな」
「暇ではない。時間の余裕があるだけだ」
「手伝ってくれるなら、何でもいいけど…」
「助かります、テスカトルさん」
「うむ。存分に頼るがよいぞ」
「じゃあ、状況を整理します。この生き霊は、九分九厘は綾華のもので、本人に会うのを頑なに拒否しています。普段は朱緋の大工仕事を熱心に見ていて、その他のことにはほとんど関心を示しません。思念風船を使って思念を集めたところ、認められたい、遊びたいということを言っており、これは綾華自身の願望であると考えられます。ただし、これで全てなのか、まだあるのかは、今のところ分かっていません」
「紅葉にも話したのだが、思念風船をいくつか用意して、他のことをやっている間に溜めておけばいいのではないか」
「ひとつの風船が溜まりきるのにも、かなりの時間を要しましたし、それを増やすとなると、何倍か何十倍かの時間が掛かってしまいます。ごく少量の一定量ずつしか空気が供給されない条件で、その空気を使って風船を膨らませるようなものです。ひとつを膨らませるのに十分掛かったなら、二つで二十分かそれ以上掛かるんです。数を増やせば増やすほど、ひとつ当たりに供給される空気の圧力は減りますし、効率が悪くなるんですよね。ひとつが十秒ほどでいっぱいになるなら、十個二十個並べても平気なんですが」
「ふむ、なるほど。思念風船の使い方は、やはり研究され尽くしているということか」
「され尽くしてるかは微妙なところですけどね。新しい使い方とか組み合わせとかは、毎日のように出てきてますから」
「研究は日々進歩していくということか」
「そういうことですかね。まあ、今回の、思念風船や絡糸が生き霊にも使えるというのも、ある意味では新しい発見ですし。祓い師や死神の人たちにとって、使える情報なのかと言われれば、ちょっと自信はないですが」
「遺物と、生き霊などの霊は、根本では同じ存在であるということなのだろうかな」
「そうかもしれません。でも、だからと言って、私たちが浄霊にまで手を出すなんてことはないと思います」
「それはそれで、浄霊師などの領分があるだろうからな」
「そうですね。縄張り争いに発展しかねませんし。ただ、浄霊師さんやなんかが使える道具を購入してもらえるなら、それはそれでこちらも潤いますし、双方にとって良い結果となるんですけどね」
「逆の場合はあるのか。死神や祓い師が、浄霊師の道具を買うようなことは」
「ありますよ。別に、今回初めてそうなるかもしれないということではないんです。前々から、時々そういうことはあったんですよ」
「なんだ、そうなのか」
「はい。なので、その中のひとつに名前を連ねることが出来るかもしれないっていうのは、良い発見でしたよ。死神や祓い師で霊のこともやる人はほとんどいないですし。あっても、今回みたいに何らかの意図や考えがあったり、成り行きだったりしますから。あんまり一所懸命にはやらないんですよね」
「二度とないかもしれないことに注力はしないだろうな」
「そういうことです。もちろん…と言うと変ですが、私も積極的にいろいろ実験してみようなんていうのは全く思っていませんし。使えるかもしれないものを使うというくらいで」
「それでいいだろう。今から浄霊師に転身するというなら別だろうがな」
「稀にそういう人もいるみたいですけどね。いきなり祓い師を辞めて、浄霊師とか他の仕事をやり始めるとか」
「その者の人生だからな。自由にすればいいだろう」
「まあ、そうなんですけど」

転職とか脱なんとかっていうのは、なかなか気合いや力のいることだと思う。
えいやと、やるときにはさっさとやってしまった方がいいんだろうけど。
しかし、浄霊師と祓い師の違いというのが、私にはよく分からないんだけど。
霊相手か、遺物相手かということなのかな。
やっぱり、全く違うものなんだろうか。

to be continued...
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まあ、似てるとは思いますけどね。
明確に違うと分かったのは、浄化する対象くらいですか。
では、またお会いしましょう。
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猪突猛進

これをすると決めたら、常に動き続けているのがいいのかもしれません。
一度止まると、戻るのに苦労しますし。

では、今日も戦国絵巻です。


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陸奥は不機嫌だったけど、練習は無事に始まって。
あとはどうせ見てるだけだから、旅館の方へ先に向かうことにする。
今日も朱緋は行ってるはずだし、生き霊も来ているかもしれない。

「どこに行くのだ、紅葉」
「テスカトルか。どこに行くのかは知ってるんだろ」
「ふむ。生き霊に四苦八苦しているのか」
「まあ、そうだな」
「ミカサならば、強制浄化も出来るだろうに」
「綾華の生き霊らしいし、出来たとしてもやらないよ…」
「そうか。しかし、生き霊を出すとは、綾華もなかなか溜まっているのではないか」
「そうなのか?詳しいことは全く分からないけど」
「何か言っていたのではないのか」
「いや、別に」
「生き霊は喋らなかったかもしれないが、死神道具を使ったのだろう。声のようなものを聞いたのではないか」
「まあ、聞いたけど」
「綾華の望みとは何なのだ。非常に興味がある」
「趣味が悪いな」
「いつものことだろう」
「自分で言うなよ…」
「それで、どうなんだ」
「認められたいとか、遊びたいとか言ってたな」
「なるほど。今の状態を如実に表しているではないか」
「そうなんだけど。でも、だからと言って、どうすることも出来ないんだよな。認められたいっていうのは、タルニアのことだと思うから、それはタルニア次第だし。遊びたいっていうのも、そうだから休んで遊べと言っても絶対に聞かないだろうし」
「ふむ、なるほど」
「なかなか厄介な願いなんだよな。オレたちの努力ではどうにもならないというか」
「願望というのは、往々にしてそういうものだ。他人が叶えてやろうというものではなく、自分でどうにかして掴み取らなければならないものなのではないか」
「そうかもしれないけど、タルニアに認められるかは置いとくとして、綾華は自分から休みなんて取らないだろ。それをまず、どうにかしないといけないと思うんだけど」
「ふむ。休みか。取れと言われても取らない者は、確かにいるようだな。好きでやっているからとか、よく分からない理由を並べ立てることが多いようだが」
「好きでやっているから休みたくないっていうのは、分からないでもないな。休まない理由にはならないけど」
「願望はそれだけだったのか」
「いや、その二つが抽出されたというだけで、これで全部なのかどうかは分からない」
「なぜ、全部を洗い出さないんだ」
「思念風船に溜まる速度もかなり遅いし、いつも必ず別のことを言う思念が入るとも限らないらしいし。何回も試行を繰り返す意味も薄いかなと思う」
「一度にやる数を増やせば、一回分の時間で試行回数を増やせるのではないのか。願望が二つで、思念風船に入るのがひとつだとしても、十個を同時にやれば、どちらか一方しか現れない確率は千二十四分の一だ。数を増やせば増やすほど、漏れが出る確率も低くなる」
「願望が百個あって、同時に二つしか入らないとかいう場合は、気が遠くなるほどの試行を重ねないといけないだろ。全部を知る必要はないにしても、残りがどれだけあるのか分からないし。そういうことで気を揉んだりするなら、他の方法を考えた方が良くないか?」
「願望をどれかひとつ二つだけ叶えたとして、それで生き霊が消えなければ、また最初からやり直しだろう。そうすれば、余計に時間を浪費してしまうのではないのか」
「言い合ってても仕方ないんだけど…。ミカサがいないと、現状、何も出来ないから、ミカサが来るまで朱緋も一緒に話し合ってみよう」
「それはいいのだが、おれは片手間にでもやっておくべきだと思うぞ」
「はいはい…。そのあたりも検討するんだよ…」
「思念風船というのは、どれだけ溜まるのが遅いんだ」
「四半刻ほど掛かったかな。思念の密度が小さいか、遺物用だからあんまり合ってないのかは分からない」
「ふむ」
「片手間にでもとは言うけど、やるかどうかは、ミカサの判断と所持金次第だと思う」
「所持金とはどういうことだ」
「死神道具だって、タダじゃないからな。買い溜めてる分はあるのかとか、ひとつにつきどれだけお金が掛かるのかとか、そういうことだ」
「金が必要なら、おれの貯金を使えばいい。使わないから、貯まる一方だしな」
「テスカトルが何か仕事をして報酬を貰ってる姿なんて、全く想像出来ないんだけど」
「どうしてだ。おれはいたって真面目に、ときどき働いている」
「ときどきかよ…」
「仕事で人生の大半を潰すのは無駄だろう。ときどきやるくらいが一番だ」
「それで生活出来るやつはいいけどな。毎日やらないと無理だというやつは多いはずだぞ」
「いざとなれば、道端の草でも食べていればいい。とにかく、仕事なぞはやらないに超したことはない」
「仕事も大事だと思うけどな…」

テスカトルの場合は、生きるために働くということがないみたいだからな。
暢気なことを言ってるのも、そのせいかもしれない。
余裕は大事なんだけど、その余裕を作るために仕事をするというか。
そして、余裕っていうのは、だいたいはお金と時間だ。
ただ、仕事をしてると、時間的余裕がなくなってしまうことがあるのも問題なんだろうな。

to be continued...
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仕事って何なんでしょうね。
どんなものであるべきなんでしょうか。
では、またお会いしましょう。

技術

技術というのは日々加速度的に発展していっていますね。
ゲームなんて、ほんの二十数年前は粗いドットだったのに、今や美麗なCGが当たり前に使われるようになっています。

では、今日も戦国絵巻です。


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「生き霊も、今回の場合は、主側の願いを叶えると自然消滅するようです。だから、この生き霊が持つ綾華の願いを探り当てて、綾華側で叶えないといけないんだと思います」
「一晩でよく調べられたな」
「リュナムクさんに本を紹介してもらったんです。手掛かりになることが書かれた本を、桔梗さんが持ってるって」
「ふぅん…。リュナムクねぇ…」
「どうかしましたか?」
「桔梗は、リューナに借りた本だって言ってなかったか?」
「いえ、特には。リュナムクさんに借りた本だと、何か不味いんですか?」
「いや、何でもないんだけど」
「そうですか?ごく普通の本でしたけど」
「そうか。それならいい」
「時々、そういう文献の中に、魔導書みたいなのが混じってたりしますからね」
「そうなのか」
「調べる分には問題ないんですが、他にいろいろと問題が発生する可能性が高いですから。細心の注意を払わないといけないです」
「ふぅん」
「とにかく、今日は、調べたことをもとに、考えられることをやっていこうと思います」
「願いは直接分からないのか?」
「昨日の思念風船が一番それっぽいですかね。あれ以上の精度を求めるとなると、少なくとも手持ちでは無理だと思います」
「何か新しく買えば、正確に分かるのか?」
「正確に分かるというか、思念風船の補強ですね。走馬燈なんかを使えば、さらに詳しい内容が分かるかもしれません」
「走馬燈?」
「遺物が持ってる未練や思念を映像化して映し出す装置です。思念風船が使えるなら、走馬燈も使えると思います」
「使えるなら買えばいい。オレが出すよ」
「えっ、いや、そんなことしなくて大丈夫ですよ」
「早期解決に繋がるかもしれないんだろ。積極的に使うべきだと思うけど。高くてもいいから」
「えっとですね、私が持ってないのには理由があってですね…」
「理由?」
「現状、成功確率は三割に満たないと言われています。改良は日々進んでいるんですが、未練や思念の量によっては、耐えきれずに燃え尽きてしまうんです。だから、思念の量が少ない遺物か、上手く燃え尽きる前に詰め込めた場合にしか無理なんですよ。それが、成功確率三割未満の理由です」
「まあ、大枚はたいて買ったものが、何も分からないまま燃え尽きるかもしれないのは、確かに嫌だな…」
「高いものではないんですが、成功するまでやろうとなると、いくつ使わないといけないのかも分からないし、今の性能ではいくつ使っても絶対に成功しない可能性だってありますし」
「それはまた難儀だな…。他に手はないのか?」
「すみません、まだあんまり考えられてないです」
「いや、一晩でよく調べてくれたよ。オレには全然分からないことだしな…」
「まあ、多少の専門知識が必要ですし。仕方ないですよ」
「ミカサがいてくれて助かるよ」
「いえいえ。迷い家のことも立ち消えしちゃいましたし、これくらいはやらせてもらわないと」
「立ち消えって、別に気にすることもないのに。それに、夢人が本業だろ。そっちをしっかりやってもらわないと」
「それはもちろんですよ。…でも、奏、いつにも増して遅いですね。何かあったんでしょうか」
「下町にでも遊びに行ってるんじゃないか?」
「えぇ、まさか…」

サナと龍華が様子を見に行ったけど、その二人すら帰ってこない。
リュイやルッカは気にした様子もなく、自分の好きなことをしてるけど、陸奥はなんとなくそわそわして落ち着きがない。

「リュイ。奏たちはいいのか?」
「そのうち帰ってきますよ。隊長さんの言う通り、下町に遊びに行ったんだとしたら、多少なりともお仕置きが必要でしょうけどね」
「リュイは、あんまり心配してないみたいなのです…」
「してないからな。奏だって、練習は嫌いでも、必要なことだというのは充分理解しているはずだし。別に怠けるのは勝手だし、それで練習が遅れるようなら、補習でも何でもすればいい。他に退っ引きならない理由があるのなら、そちらを優先して、あとで補習をすればいい。今の私たちに必要なのは、奏たちのことを心配することよりも、心に余裕を持って平静を保つ訓練をすることだ。特に、陸奥には必要なことだと思うけどな」
「それは…。でも、心配なものは心配なのです…」
「あの三人も、子供じゃないんだから。自分のことくらいは、自分で責任を持つだろうよ」
「途中で事故にでも遭っていたら…」
「可能性は全くないわけではないけど」
「心配なので、見に行っていいですか!」
「そんな必要はないと思うけど」
「どうしてですか!」
「あれ、ムツムツ。身体はちっちゃいのに、声は大きいよね」
「奏ちゃん!」

何の変わったところもない様子で、奏が部屋に入ってきた。
続いて、サナと龍華も帰ってくる。
また何か、寝坊とかだったんだろうか。

「さっきちゃんと起こしたのに、朝ごはん食べてから二度寝してたんやて。呆れ返るわ」
「いつもの奏だけどね…」
「心配したのですよ!」
「そう怒んないでよ、ムツムツ。寝てたのは謝るしさ」
「そういう問題じゃないのです!」
「そうなの?」
「まあ、うちの眠り姫もお目覚めのようだし、早速練習を始めようか」
「リュイも!」
「はいはい」

リュイは、怒る陸奥をなだめるように頭を撫でて、みんなを配置に着かせる。
相変わらずの寝坊でよかったけど、陸奥の気持ちも分からないでもない。
でも、リュイの言う通り、もう少し冷静でいた方がよかったのかもしれないな。

to be continued...
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陸奥はまだ鍛練が足りないんでしょうかね。
まあ、心配なものは心配でしょうけど。
では、またお会いしましょう。
自己紹介

佐倉いろは

Author:佐倉いろは

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