いつもの

普段しないことは、なるべくしないに限ります。
失敗に繋がることもありますし。

では、今日も幻想希譚です。


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「お洒落かぁ。お姉ちゃんも、お洒落について疎いよね。全く興味がないというか」
「お洒落なんてしても、何の役にも立たないだろ。どういう意味があるんだ」
「意味ねぇ…。意味って言ったら、たとえば、相手から良く見てもらえるとか。いつも同じような服を着てたら、普通は顰蹙を買うよ」
「ヒンシュク?というのは、いくらなんだ?」
「顰蹙に値段なんて付いてないよ…。顰蹙を買うっていうのは、まあ、呆れられるってことだよ」
「どうして呆れられるんだ」
「自分の身の回りのことに興味がないのかと思われるからだよ。自分のこともちゃんと出来ないのかって思われるの」
「そんなこと、思ったこともない」
「いや、それを思ってたら、ちゃんとしてるでしょ…。もう、詠來さんと丹和の爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいだよ…」
「あいつらは何なんだ。私に爪の垢を呑ませるほど偉いのか」
「偉いとかじゃなくて、きちんとお洒落にも気を配ってるでしょ。そういうところを見習ってほしいって言ってるんだよ」
「あいつらはお洒落なのか?」
「そりゃお洒落だよ。お姉ちゃんとは全然違うでしょ」
「そんなことはないと思うけど」
「それが分かってないあたりがダメなんだよ…」

まあ、フウロは確かに、お洒落になんて気を配ってなさそうだよね。
旅をしてると、新しい服もなかなか買えないし、いつも同じような服になるのは仕方ないと思うけど。
みんな、そのあたりはどうやってるのかな。

「しかし、私はいつも割烹着ではないぞ」
「割烹着なんて着る機会がないからね。でも、いつも二着か三着の着回しでしょ。組み合わせまで同じだし…」
「一方を洗濯してる間に、もう一方を着られたら、それで充分じゃないか。予備にもう一枚あって」
「そういう考えだからダメなの。せめて、三枚の上下で組み合わせを変えるくらいはしたらいいのに」
「そしたら、順番がややこしくなるだろ」
「そういう問題じゃないんだって…」
「どういう問題なんだ」
「まあ、フウロにも、お洒落の勉強は必要ってことだね」
「本当だよ…。ルウェたちと一緒に、その蛍さんっていう人に教えてもらいたいくらいだよ…」
「だから、お洒落など、何の役にも立たないだろう」
「あのね、同じ繰り返しになるから言いたくないんだけど、人から見られるときにどうなのかっていうのが重要だから。お姉ちゃんが、全く誰とも交流することがないって言うんだったら、そりゃお洒落なんて関係ないけど」
「ふぅん」
「分かってるのかな…。分かってないよね…」
「詠來さんと丹和って、お洒落なの?」
「うん。仕事をしてるときは、まあ、巫女服みたいなのを着てるけど、普段着がすごくお洒落なんだ」
「そうなんだ」
「まあ、お姉ちゃんとは全然違うよ。そりゃ、あちこちを歩き回るときに、服をたくさん持っていけないっていうのは分かるけど…。それでも、それなりの努力はしてほしいんだよね」
「そう言うタケは、ちゃんと努力してるのか?」
「もちろんだよ。お姉ちゃんは気付いてないかもしれないけどね…」
「何をしてるんだ?」
「さっき言ったみたいに、数が少なくても、上下で組み合わせを変えたりして、そうそう被らないようにはしてるよ。五着くらいは持つようにしてるしね」
「ふぅん。それは知らなかったな」
「そもそも関心がないからね…。本当に、それくらいはやってほしいんだけど」
「なかなか難しいな」
「難しくないよ…」

普段、お洒落に全く興味がない人からしたら、やっぱり難しいんじゃないかな。
タケがそんなことに気を遣ってるなんて、初めて知ったけど。
まあ、あんまりそういうところは見てなかったかもしれない。
これも、お洒落に興味がないからなのかな。

「詠來はどこがお洒落なんだ?」
「どこがって、局所的にお洒落なわけじゃないよ…。選んでる服とか、組み合わせもそうだし、履き物とか髪飾りとかも的確に合わせてるし。お洒落って、全身でやるものだから」
「ふぅん。じゃあ、丹和はどこがお洒落なんだ?」
「ねぇ、話、聞いてた?お洒落って、どこがお洒落とか、そういうものじゃないんだよ。そりゃ、部位ごとにお洒落を解説することだって出来るけど、最終的には全体で見てお洒落かどうかなんだよ」
「全体?私は、詠來や丹和を見て、お洒落だと思ったことはないぞ」
「それは、お姉ちゃんがお洒落に全く興味がなくて、知識もないからだよ…。知らないことを評価することなんて出来ないでしょ」
「ふむ」
「でもまあ、お洒落に興味がなかったとしても、詠來さんと丹和のお洒落は、それなりに分かると思うけどね…。それだけお洒落だし」
「そうなのか?私が着てる服と大差ないじゃないか」
「いやいや…。そう思ってる時点で、もうダメなんだよ…」
「どうしてだ」
「月とスッポンほどの差があるからね。大差ないって言ってるのが恥ずかしすぎて、穴があったら入りたくなるくらいだよ…」
「ふむ?」

自分も、詠來さんと丹和の服装っていうのは気にしてなかったけど。
タケが言うんだから、本当にお洒落なんだと思う。
また今度、会うことがあったら、しっかり見ておかないと。
お洒落な人を観察するっていうのも、お洒落になるための第一歩だと思うし。
フウロも、お洒落に興味を持ったらいいと思うんだけど。

to be continued...
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お洒落って、本当に難しいですけどね。
まあ、始められるところから始めたらいいとは思いますが。
では、またお会いしましょう。
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最近は外国人がどこにでも出没するようになってきました。
良いことなのかどうかっていうのは、なかなか判断しにくいですが。

では、今日も戦国絵巻です。


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お香屋に寄って、またいくつか案内してもらい、今日は城に帰ってきた。
また何か怒られそうな気がするけど、リュカは明日も忙しいだろうし、遅くまで付き合ってもらうのは気が引けるというか。
冷めてるわけでもないと思うけど、そんなにベタベタすることもないだろう。

「あれ、今日は下町で泊まるんだと思ってたけど」
「風華か。いや、リュカも忙しいだろ」
「忙しいかもしれないけど、姉ちゃんと一緒にいたかったんじゃないかな」
「そんなことないと思うけど…」
「本当にたまにしか会いに行かないんだから、一日くらいは一緒にいてあげたらどうなの?」
「まあ、それを言われると…。でも、特に引き止めもしなかったし」
「リュカさんは引き止めないでしょ、性格から考えても」
「そうかな」
「そうだよ。姉ちゃんが帰るって言ったら、一緒にいたいって思ってても、そうかって言ってくれるよ」
「うーん…」
「まあ、もう帰ってきちゃったんだから、今更戻るわけにもいかないし。なんか夜這いみたいになるからね」
「夜這いってな…」
「まったく、姉ちゃんは気が利かないんだから」

気が利かないって言われても、それに関しては、リュカの性格が仇となってるというか。
というか、リュカがどういう風に考えてるかも分からないしな。
自分の気持ちっていうのは、伝えないと相手には分からないんだから。

「そういえば、朱緋は?」
「さあ。ツカサと一緒に消えたけど」
「消えた?あぁ、気を遣ってくれたってことね」
「リュカは、昼からの仕事を丸々休んでるからな。ツカサも大変だったんじゃないかって思うけど」
「余裕がなかったら休ませないでしょ。休ませてもらえたんだったら、別に大変じゃなかったんだと思うよ」
「そうなのかな…」
「まあ、八面六臂の活躍をすればいいんだからね」
「いやいや…。一人の人間が出来ることには限界があるだろ…」
「分身とか作れたら楽になるんだけどね」
「術とかで作れるやつはいるだろうけどな…」
「いるいる、そんなの。でもまあ、私は分身が必要になるほど忙しいわけでもないからね。別に要らなかった」
「分身が必要なほど忙しいやつって、タルニアくらい忙しいやつなんじゃないか」
「だろうねぇ。むしろ、タルニアさんは、分身も使わずによくやってると思うけど」
「聖獣を従えてるからな。そいつに頼んで何かやってるかもしれないけど」
「うん。転移の術式は使ってるみたいだね。他は知らないけど」
「転移ねぇ…」

もとが人間離れしているんだけど、術式まで操るようになったなら、もはや人間ではないな…。
あいつはどこまで行くんだろうか。
底が知れないな…。


先に風呂に入って、部屋に戻る。
部屋には、やはりというか、翡翠とツカサがいて、何かを話してるみたいだった。
朱緋はいないようだけど。
翡翠は、私に気が付くと、何かニヤニヤしながらこちらに寄ってきて。

「リュカと逢引きしてたんだって?」
「逢引きじゃない。ただ、次にねねと行けるような場所を案内してもらってただけだ」
「ほら、言っただろ。姉さんにそんな浮いた話は期待出来ないって」
「いやいや。一緒に歩いてたってだけでも、紅葉とリュカにとっては、充分浮いた話だよ」
「それはそうだけど…」
「でもさ、いつも不思議に思うんだよ。並んで歩くことも珍しい二人なのに、どうやって子供が出来たんだろうって」
「別にいいだろ。男と女が寄り合えば、子供が出来る可能性だってある」
「まあ、翡翠みたいに、女を取っ替え引っ替えしてるような輩の方が、そういう話になりやすいだろうけどな」
「僕はテスカ一筋だよ。他の女の子たちは別に何でもないし、遊んでるわけでもないし」
「毎日のように、違う女を連れて街を歩いてるじゃないか」
「あれは別に、付き合ってるとかそういうんじゃないよ。どうしても僕にごはんを奢りたいって言うから、付いていってあげてるだけで」
「あのな…」
「でもまあ、多重婚だって認められてるんだし、彼女が何人いても咎められることはないと思うんだけど。ほら、ツカサだって、望と朱緋の二人と付き合ってるでしょ」
「あ、朱緋とは付き合ってないって」
「そうなのかな。なんか、いつも親しげに話したりしてるじゃないか」
「気の合う友達ってだけだよ…」
「ふぅん。朱緋はどう考えてるのかな」
「知らないよ。気になるなら聞けばいいじゃないか」
「えぇ。ツカサと同じで、付き合ってても、はいそうですって答えるような性格じゃないでしょ。だから、別の切り口から攻めていかないといけないんだけど」
「翡翠はどうしても、俺と朱緋が付き合ってるっていうことにしたいみたいだな…」
「そりゃ、そう見えるのに、ツカサも朱緋も認めないからだよ」
「朱緋もって、もう聞いたのかよ…」
「ち、違います!ツカサちゃんと付き合ってるなんて…。そ、そんなことないです!って言ってたよ。あの慌てぶりは、万一付き合ってないとしても、気はあると思うんだよね」
「あることないことを妄想するのは勝手だけどな、朱緋に迷惑を掛けるようなことはするな」
「熱いねぇ」
「殴っていいか」

普段から女の子との付き合いが多い翡翠だから、頭がそういうおめでたいことになってるということなんだろうか。
でも、朱緋がツカサと付き合ってるんだとしたら、私のことが好きだというよりも、よっぽど健全だと思う。
もしそうなんだとしたら、私は二人の関係を応援してやりたいんだけど。
まあ、素直に付き合ってるなんて言うような二人じゃないからな。
真相は二人にしか分からないということだ。

to be continued...
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真相やいかに。
気になるところではありますが。
では、またお会いしましょう。

二日分の二日目。
本来の今日の分です。

では、今日も戦国絵巻です。


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リュカに案内されて、いくつか候補となるようなところを回っていく。
私には全く分からないから、こういうことを教えてもらえるっていうのは、とても有難いことだな。

「お香なんかは好きなのか?」
「さあ、どうだろうな。お香を焚いてるところは見たことないけど。でも、風流を大切にしてたりするからな。お香も気に入ってくれるかもしれない」
「そうか。じゃあ、お香屋にいってみようか」
「お香屋は、オレも前に行ったことがあるな。同じところかどうかは知らないけど」
「そうなのか?紅葉はお香が好きなのか?」
「好きというわけではないけど、嫌いではないな」
「ふぅん。俺にはちょっと縁遠いものだけどな。香りを楽しむようなタチじゃないし、あの長屋で焚いても仕方ないだろ」
「そうかな。別に、焚く場所は関係ないと思うけど。それに、匂いを嗅いでいると落ち着いてくるだろ」
「そもそも焚いたことがないから、よく分からないけど。落ち着くものなのか?」
「いい香りに包まれてると、落ち着くようなかんじがするけど」
「そうなのか」
「でも、なんで、縁遠いとか言いながら、お香屋のことは知ってるんだ?」
「そりゃ、仕事で入ったことがあるからだよ。まあ、お香のことが分からないようなやつが入って何をするんだっていうかんじだけど」
「確かに」
「だけど、そのときに、いくらかの知識と、人脈は手に入ってるから」
「人脈ねぇ…」
「大事だぞ、こういう仕事をしてるときは。顧客からの紹介で、次の仕事が決まったりするからな」
「ふぅん。何でも屋なんて、胡散臭いことをしてるんだなってくらいにしか思ってなかったけど」
「胡散臭いってな…。人に言えないようなことは何もしてないから。きちんとした業務内容だからな」
「はいはい…。そんなにムキにならなくてもいいだろ…」
「ムキにはなってないけど…」
「お香屋っていうのは、匂いだけで近くにあるっていうことが分かるな」
「そうなのか?まあ、確かに、匂いはするけど。ここでもしてるのか?」
「まだ微かにだけど」
「ふぅん。種族の問題なのかな。でも、女って、子供が出来ると五感が強くなるって聞くしな」
「そうなのか?別に、そんなに強くなった気はしないけど…」
「本当の話なのかどうかは分からないけどな。だけど、俺は感じない匂いを、紅葉は感じるっていうのは、何か理由があるはずだし」
「それはまあ、そうかもしれないな」
「お香屋が近付いてるっていうのは、確かなことだ。まあ、そこに向かってるんだから、当然と言えば当然だけど」
「確かに」

お香屋の匂いっていうのは、なかなか独特だからな。
ただ、リュカが感じないんだったら、私が間違ってる可能性だってあるけど。
そう思い込んでるだけで、本当は何も匂いなんてしてないのかもしれない。
真偽のほどは…別にどうでもいいんだけどな。

「風流を大切にするっていうのは、どういうのかがよく分からないんだけど、たとえばどんなかんじなんだ?」
「まあ、お茶とかに拘ったり」
「ふぅん。それなら、お香よりお茶の方がよかったんじゃないのか?」
「さっき行っただろ。それに、お茶に関しては桐華がいるし」
「あぁ。噂だと、ずっと城に留まってるって聞いたけど」
「そうだな。旅団の仕事はしないで、ずっと自分のやりたいことをやってるみたいだけど」
「そうなのか。桐華のやりたいことっていえば、やっぱりお茶なのか?」
「お茶関連だろうな。お茶菓子なんかも手掛けてるみたいだけど。その情熱を、旅団の仕事にも向けてほしいものだけどな」
「まあ、それはどうだろうな。やる気や本気を出せることって、なかなか少ないだろ。一人一人で限られてくるし」
「そうなんだけど、もし桐華がお茶じゃなくて旅団のことに興味を持ってたら、どうなってたんだろうかって考えることがあるんだよ」
「お茶の情熱を、そのまま旅団に向けられたとしたら、タルニアと同じくらいの凄腕団長になってたんじゃないか。お茶についてはそうだしな」
「そうだよな…。勿体ないような、そうでもないような…」
「勿体なくはないと思うけどな。対象が何だったとしても、それだけの結果が出せるっていうのは、普通は出来ないことだし」
「まあ、そうだな。オレは何も残してないんだし、それを考えたら、桐華の方がよっぽどいいのかもしれない」
「うーん…。考え方じゃないかな。俺は、紅葉が何も残してないなんてことはないと思うけどな」
「何か桐華みたいな結果を出してたか?」
「人と比べることはないと思う。そりゃ、桐華とかタルニアは、明らかに目に見える結果を出してるかもしれないけどさ」
「誰にも分からないような結果がいつの間にか出てたとしても、評価のしようがないじゃないか」
「まあ、そんなに生き急ぐこともないんじゃないか」
「生き急いでるのかな…」

目に見える結果をとか、評価されるされないとか、そういうのは確かに生き急いでると言えなくもない気はする。
ただ、そういう話になった以上、桐華やタルニアと比べて…という流れにはなると思うし。
それを考えると、私は何もしてないのかもしれないと思ってしまうな。

to be continued...
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生き急いでるって言うのですかね。
それに、何もしてないということはないと思いますが。
では、またお会いしましょう。
自己紹介

佐倉いろは

Author:佐倉いろは

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