下降

熱は引いたように思います。
このまま治ってほしいものです。

では、今日も戦国絵巻です。


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「ずっと昔から生きてるくせに、お前は全く偉ぶらないんだな」
「ふむ。それはどういう意味だ」
「小説や何かでは、原初の神だとかそんなかんじのやつは、だいたい偉そうにしてるじゃないか」
「まあ、不遜な態度を取る輩もいるだろうな。しかし、長く生きてるからといって、偉いわけでも何でもないからな。そういう輩は孤立していくのがオチだろうよ」
「ふぅん…」
「そもそも、そいつだけが長生きしているなら分からないが、そこそこ数はいるからな。ここにも、おれとリュナムクの二人がいるわけだし。あぁ、テルもいたかな」
「そうだけど。そんなに多いのか?」
「多いというわけではないな。人口比率にしてみれば、もちろん、ほとんどいないに等しいのかもしれないが。しかし、仮に全人口の一厘がおれたちのような者だとして、世界人口が十億人だとすれば、百万人はいるわけだからな。少なくはないだろう」
「人口はそんなにあるのか?」
「知らん。喩え話だ。数値に責任は持たない」
「別に持たなくていいけど…」
「とにかく、ここに三人も集まっている時点で分かるだろう」
「いや、特別密度が高いだけかもしれないじゃないか」
「可能性としてはあるな」

テスカトルは、机の上の唐揚げをひとつずつ、器用に手で落として食べている。
いや、前足か?
まあ、どっちでもいいけど。

「とにかくだ。そういった態度を取るような輩と付き合う必要はない。年寄りだろうが、そうでなかろうがな。付き合うだけ時間の無駄だ」
「ふぅん…。そういうやつを知ってるのか?」
「知っているといえば、知っている。しかし、二度と関わりたくない連中だ」
「そうか」
「人間は、おれのような気さくな者より、不遜で偉そうな輩を好むようだがな。よく分からないが、そういう態度を有難がるのだ」
「まあ、神さまとかそういう風に思ってる存在には、それなりの態度を取ってほしいんじゃないか」
「偉そうにばかりして、特に何もしないのに、貢ぎ物や供物を貪るような輩の何がいいのだ。理解に苦しむ」
「信仰とかの対象って、そんなものじゃないのか。願いが叶えば神の力によるものだし、叶わなければ自分たちの信仰心や貢ぎ物が足りないからだと思う。どちらにしても、神に据えられた者は座して待っているだけでいいし、割の良い商売じゃないか」
「ふむ。なんとも胸糞の悪い話だな。確かに、信仰の対象になってる輩が多い。そういう性根の腐った理由があったのだな」

まあ、何をどう信じるのかは、人それぞれの勝手だからな。
テスカトルが気に入らない不遜な連中でも、宗教の神としてはちょうどよかったりするんだろう。
テスカトルは不遜でない…とは思わないけど、接しやすさで言えば、他の人と変わらないというところで明確に違うだろうし。
そういったやつらは、たぶんそこから出てこないだろうから、私は会うこともないと思うけどな。


テスカトルは、風呂に入ったあとも付いてきて、取り留めのないことをペラペラと飽きもせずに話していて。
よくもまあ、話題が尽きないものだ。
部屋に戻ると、メルトが一人で計算機と向き合っていた。

「ただいま、メルト」
「あ、お帰りなさい、師匠、テスカトルさん。ツカサさんと翡翠さんは、外に出てますよ」
「そうか」
「メルトも、おかしな宗教に入ってないだろうな」
「宗教ですか?」
「だから、何を信じようと、各人の勝手だろ」
「宗教はありますよ。まあ、私が乗っている船では、無宗教の人が大多数ですが。でも、信じてる人は本当に熱心に信じてるみたいですね」
「メルトは無宗教なのか?」
「無宗教といえば無宗教ですが、このあたりの地域でいう神道が、今の私の状態に近いです」
「ふむ。開けっ広げに信じてるとは言わないが、土着信仰として根深く存在しているということか」
「そうですね。まあ、この星の言葉にしてみるなら、三神教でしょうか。三柱の神さまの宗教です」
「興味深い。続けてくれ」
「世界は、三柱の神さまによって維持管理されてるんです。一柱目の神さまは、自然を司る神さま。二柱目の神さまは、人が作り出したものを司る神さま。そして三柱目の神さまは、宇宙を司る神さまです」
「まあ、前の二つは分かるが、宇宙を司る神というのは、どういうことなのだ」
「そのままですよ。私たちが住んでいる宇宙を守る神さまです」
「自然とは違うものなのか?」
「宇宙には、自然も人工物も入り混じってますから。それを一手に担うのが、その神さまなんです」
「ふむ。まあ、お前たちにとって、宇宙が大切なものであるということは分かった。だいたい、大切に守るべきものだとか、畏怖するべきものが神として祀られることが多い。メルトのところは、自然と人工物と宇宙を大切に思っているのだろう」
「そうですね。きっとそうなんだと思います。詳しいことは、神主さんとかに聞く必要があると思いますけど」
「まあ、ここにはいないのだから仕方ない。しかし、宗教に縋るのは、どこでも同じということなのだな」
「ある意味で道標になってくれますからね。私には分からないですが、きっと何か良いことがあるんでしょう」

宗教を信じて良いことがあるのかどうかは分からないけど。
でも、お布施とかの支払いがあるし、財布には優しくなさそうだ。
まあ、財布の心配をするようなやつは、そもそも宗教にはハマらないのかもしれない。
結局、いろいろな考え方があるということだ。

to be continued...
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宗教は難しいですからね。
人の思想というのは、なんともはや。
では、またお会いしましょう。
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今日は一日しんどかったです。
薬を飲んだら、まだ少しマシなんですが。

では、今日も戦国絵巻です。


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タルニアはみんなの練習を見ながら、手帳に何かを書き込んでいる。
随分と熱心だけど、何か思うところでもあるんだろうか。

「あら、気になるの?」
「そりゃな」
「別に特別なことは書いてないわよ。次の公演をどういう編成にしようかとか、そんなことよ」
「次の公演って、合宿の成果を発表する公演か?」
「そうよ。それまで、一切の公演の予定は入れてないわ」
「そんなことをして、経営が維持出来るところがすごいよ…」
「大した損失じゃないわ。あの子たちが、それで一皮剥けるなら、いくら掛かろうと安いものよ」
「それは、莫大な資本と資産を持ってる大旅団も経営してるから言えることだからな」
「そうねぇ。子供たちの未来には、いくら投資しても足りないくらいよ。夢人で一生食べていくなんてことは考えてないだろうけど、何かを掴んでもらったらいいと思ってるの」
「実際、どれくらいまで活躍してるんだ?」
「さあ。夢人自体、最近出てきたものだから、そんなに歳を喰った子はまだいないわね」
「ふぅん…」
「最年長で、四十くらいかしら。もちろん、人間年齢に換算したものだけど」
「四十?思ったより上だな」
「その歳になって始めたというだけだから、他の子と変わらないけれど」
「でも、四十だと、あれくらいの若い子たちに、なかなか追い付けないんじゃないのか?」
「そんなことないわよ。まあ、努力次第でどうとでもなるっていうことよ」
「ふぅん…」
「それより、奏ちゃんは相変わらず、練習だとキレが悪いのね」
「公演なら良いのか?」
「驚くくらいね。観たんでしょう?」
「まあ、観たけど」
「不思議なものね。どうして、練習以上の力が出せるのかしら」
「練習は若干嫌々やってる節があるからな。それが力を抑えてるのかもしれない」
「そうね。どうして練習が嫌いなのかしら」
「練習の重要性が分かってないんだろ。ちゃんと練習したら、もっと上手くなると思うんだけどな」
「どうやったら、練習に注力してくれるのかしら」
「今の考えを払拭するところからだろうな」
「うーん、それが一番難しいかもしれないわね。根は単純だから、それさえ出来れば、あとはとんとん拍子だと思うけれど」
「そうだな…。結構辛辣だな、お前も」
「あら。可愛い夢人たちだとしても、手は抜かないわよ。可愛い夢人たちだからこそ、厳しくしていかないと」
「まあ、それはいいけど」
「でも、つい甘やかしたくなるのよね。旅団の部下とは大違い」
「旅団の部下には厳しく当たるのか…」
「厳しく当たるというか、甘やかしたくなる気持ちが湧かないのよね。その点以外は、どちらも同じよ」
「甘やかしたくなるってどういう気持ちなんだよ…。それが旅団員と夢人で違うのも不思議だし…」
「そうかしら。やっぱり、商売が掛かってるか掛かってないかが分かれ目なのかしら」
「それが一番尤もらしい理由だろうな」
「あの子たちの活躍にも、商売が関係してるのだけど。どこかで線引きしてるのかしら」
「さあな」

線引きはされてるだろうな。
そして、タルニアの場合は、甘やかしたくなるという方が本来の姿なんだと思う。
どちらかと言えば、商売が掛かってるから、自分を抑えてるのかもしれないな。

「さて、合宿は順調ね」
「まあ、紆余曲折はあったけど」
「リュイちゃんなら上手くやれると思ってたわ。フウロちゃんとエイシャちゃんの鍛練を手伝って、自分を取り戻したなんて、リュイちゃんらしいわね」
「焦りすぎていたからな。合宿と関係ないところに身を置いて落ち着いたことで、調子を取り戻したんだろう」
「そうかもしれないわね。やっぱり、少し離れるっていうのは良いことなのかしら」
「まあ、一度整理を付けるという意味では有効かもしれないな」
「リュイちゃんは、何を焦ってたのかしらね」
「みんなを引っ張っていって、結果を出さないといけないっていうのが、心の負担になってたんじゃないのか」
「そうなのかしらねぇ。そしたら、私の責任もあるわね」
「そうだな。合宿を決めたのも、突然だったんじゃないのか」
「そんなことないわよ。奏ちゃんは聞いてなかったみたいだけど」
「あいつは話を聞かないからな…」
「そそっかしいのね。話も、聞いてるんだか聞いてないんだか。熱心に聞いてるようなフリはしてるのだけど、あとで確認してみたら全然分かってないとか。そういうことがよくあるのよね」
「右から左に流れてるんじゃないのか」
「そうねぇ。そうかもしれないわね。だから、予定なんかは、サナちゃんとか龍華ちゃん頼みになるのよね。予定帳を持たせたこともあるのだけど、書いても読まないから」
「まあ、そんなかんじはするな」
「性格なのかしらねぇ。直らないのかしら」
「大きな不具合が出てないなら、それでいいと思うけどな。いつかやらかすかもしれないけど、それはそれでひとつの経験だし。失敗した方が、思い知るだろうしな」
「うーん、そうなのかしら。不具合っていう不具合は、今のところないのだけれど」
「じゃあ、オレなら、しばらく様子見だな。サナや龍華が上手く補助してくれてるなら、それでいいと思うし」
「まあ、また考えておくわ」

まったく、奏は仕方ないな。
どうしたら話を聞くようになるんだろうか。
それでも、まだ上手くやれてるんだったら、それでいいと思うんだけど。
失敗したら失敗したで、教訓として心に残ると思うし。
私なら、今のままにしておくな。

to be continued...
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どうするのがいいんでしょうか。
難しいところですね。
では、またお会いしましょう。

なんだか夕方くらいからフラフラです。
早めに寝ます。

では、今日も戦国絵巻です。


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「もうくたくただよ…」
「みんなと同じ分しか練習してないじゃないか」
「体力バカですから、みんな…。それに、本番でもこんなに動かないし…」
「本番よりもキツい練習をしておかないと、本番で充分な力を発揮出来ないだろ。本番では、練習のときの八割以下の力しか発揮出来ないと考えておいた方がいい」
「そんなことないですよ。奏は十割全てを発揮出来ます」
「まあ、それならそれでいいけど、普段から十割を超える練習をしておけば、本番で余裕が出来るだろ。八割以下しか力を発揮出来ないにしろ、十割の力を発揮出来るにしろ、練習で手を抜く理由がない」
「えぇ…」
「リュイの練習に付いていけないんだったら、追加で特訓することも考えないとな」
「間に合ってます」
「じゃあ、文句を言わないで、しっかりとやることだな」
「うーん…。あ、そういえば、あやかやがいましたけど」
「あやかや?」
「綾華のことですよ」
「なんであやかやなんだよ…。りょうかだろ…」
「そっちの方が可愛いからです」
「お前の感覚はよく分からないな…」
「それで、あやかやは何してたんですか?」
「別に。休憩じゃないのか。まあ、目的としては、リーシャを呼びにきたみたいだけど、夢人の練習をしてるならいいって言ってたな」
「リーシャは可愛い愛称が考えにくいんですよね。リンシャンにしようかと思うんですが」
「好きにしろよ…」
「でも、リンシャンは夢人の才能がありますよ!是非ともなってほしいものですが!」
「リュイに言われてただろ。今は体験でいいけど、本格的に始めたいってなれば、養成所なんかで基礎を固めていかないといけないって」
「リュイやんはお堅いんですよ。飛び級だってあるんですから、別にいいと思います」
「飛び級っていうのは、その段階のことがちゃんと分かってるかどうかを確かめた上で判断されることだから、どのみち養成所とかを通らないといけないのは変わらないからな」
「奏ちゃんの識質眼で見極めたリンシャンの才能は、確実なものですよ」
「それは基礎を飛ばしていい理由にはならないからな」
「うむむ…」

リーシャと一緒にやりたいという気持ちは伝わってくるけど、それだけで即戦力として投入しようとするのは、あまりにも無謀だ。
身体を動かす才能があるのは間違いないだろうけど、それだけではな。

「あら、新入りさんがいるみたいね」
「タルニア先生!奏が発掘してきた子ですよ!」
「なんでここにいるんだよ」
「あら、いちゃいけないのかしら」
「そんなことはないけど…。いつでも思うけど、お前は神出鬼没だな」
「可愛い夢人のためですもの。いつでもどこでも、様子を見たいと思うのは当然でしょう」
「さすがタルニア先生です!」
「なんかお前、太鼓持ちみたいだぞ…」
「それで、あの子は何ていう子なのかしら」
「リーシャです!えっと、血牙っていう種族なんですが」
「血牙ねぇ。呪いによって、記憶に残らないって聞いたことがあるけれど」
「桔梗がその呪いを解いたらしい。リーシャの分だけなんだけど。昔、研究してたみたいでな」
「そうなの。出来れば取引したくない相手だったのよね。記憶に残らないとなれば、取り立ても出来ないから」
「リンシャンは大丈夫ですよ」
「そうね。夢人候補生として、消えてなくなるようでは困るもの」
「記憶から消え去るのは、そいつが死んでかららしいぞ。いちおう言っておくけど」
「そうなの?まあ、厄介であることに代わりはないわ」
「あの、タルニア先生。リンシャンはどうですか?」
「容姿では問題ないようね。みんなに愛されるかんじの童顔だし。他はどうなのかしら」
「踊りは問題ないですよ!初めての割に上手いし、体力もあるし」
「なるほどね。奏ちゃんが注目するのも分かるわ」
「ね、タルニア先生。奏は、リンシャンを夢人として迎え入れたいと思ってるんですが」
「そうねぇ。一度、話を聞いてみようかしらね」
「連れてきます!」

奏は勢いよく立ち上がると、リュイとサナの二人と話していたリーシャの腕を掴んで、そのまま連れてきた。
もうちょっと、声を掛けるとかすればいいのに…。

「ど、どうしたの、奏?」
「リンシャンに紹介したい人がいるの。タルニア先生だよ」
「タルニア…っていえば、ラズイン旅団の団長と同じ名前だよね?」
「その人本人だよ!私たちが所属してる事務所も運営してるんだ!」
「えっ、へぇ…。は、初めまして…」
「初めまして。夢人の練習はどうだったかしら」
「は、はぁ。まあ、まだやってみた直後で、はっきりとは言えないですけど、楽しいと思います」
「だよね!」
「声が大きいよ、奏…」
「奏ちゃんは、今すぐにでも、あなたを夢人の仲間として迎え入れたいみたいだけど」
「そうなの?」
「そうだよ。一緒にやろうよ」
「やりたいのかしら?」
「うーん、考え中です。まだちょっとやっただけですし、夢人のこともよく分かってないですし。やるにしても、リュイさんがさっき言ってた、養成所とかに通ってからだと思います」
「堅実なのね。もしやる気があるのなら、養成所に通いながら、どこかの組に所属することも出来るわ。でも、もちろん、やることが多くなって大変になるけれど。奏ちゃんが、一緒にやりたくてうずうずしてるみたいだから、提案させてもらうわね」
「はい。また考えておきます」

まあ、一緒にやりたいっていうのは、言い方は悪いけど、奏の勝手な願望だからな。
リーシャの意思とは全く別のところにあるものだ。
堅実なリーシャなら、夢に惑わされることもないとは思うけど。
奏が無理矢理押し切らないかどうかが、少し心配だな。

to be continued...
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結構強引ですからね、奏は。
リーシャはどういう決断をするのでしょうか。
では、またお会いしましょう。
自己紹介

佐倉いろは

Author:佐倉いろは

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